膵臓に負担をかけない食べ物は?食事の仕方に注意して病気を予防しよう - 健康管理食ジョイント

食事療法

2022.03.30

膵臓に負担をかけない食べ物は?食事の仕方に注意して病気を予防しよう

膵臓に負担をかけない食べ物は?食事の仕方に注意して病気を予防しよう
馬塲 耕造
監修

馬塲 耕造

膵臓は食生活と深い関わりがある臓器です。膵臓を労わり病気を予防するためには、負担をかけない食事や生活習慣を心掛ける必要があります。この記事では、膵臓に負担をかけないための食事方法や食べ物、改善しておきたい生活習慣などについて解説します。
もくじ

膵臓の働き

栄養素を分解する消化酵素を分泌する働き

膵臓は、膵液を分泌している臓器です。膵液には、糖質を分解するアミラーゼやたんぱく質分解酵素であるトリプシン、脂肪分解酵素であるリパーゼなどの消化酵素が含まれています。膵管を通して十二指腸に送られた膵液は、食べ物の消化や吸収に役立っています。

血糖値を調整するホルモンを分泌する働き

膵臓の中にあるランゲルハンス島のα(アルファ)細胞からはグルカゴンが、β(ベータ)細胞からはインスリンが分泌されます。この2つのホルモンは、どちらも糖の代謝に関わるホルモンです。

グルカゴンには、血糖値を上昇させる働きがあります。一方、血糖値を低下させる作用があるのがインスリンです。

膵臓に負担がかかると起こる病気

消化・吸収に重要な膵液を分泌したり、血糖値を調節したりと重要な役割を担っているのが膵臓です。しかし、膵臓に負担がかかる生活をしていると「膵炎」などの病気を引き起こしてしまうことがあります。食生活に大きく関わる膵炎は、年々増加している病気です。ここでは、膵炎とはどのような病気なのかについて解説していきます。

急性膵炎

膵炎には「急性膵炎」と「慢性膵液」があります。膵液に含まれる消化酵素によって、膵臓自身が消化されてしまう疾患が急性膵炎です。みぞおち付近や背中の激しい痛み、嘔吐、腹部が張るなどの症状がみられるほか、熱が出ることもあります。

急性膵炎の原因

アルコールが原因となることがほとんどですが、そのメカニズムは解明されていません。胆石が原因となったり原因が不明であったりする場合もあります。

急性膵炎の治療

入院治療となり、炎症が改善するまでは絶飲食となります。痛みや炎症が落ち着いてきたら流動食などが開始されますが、基本的には脂質制限や消化に配慮した食事が必要です。同時に薬物治療も開始されます。

慢性膵炎

何らかの原因により長期にわたって膵臓に炎症が起こり、機能が失われてしまう病気です。膵液に含まれる消化酵素によって膵臓が溶かされることで細胞が徐々に破壊され、膵臓が硬くなったり石ができてしまったりします。慢性膵炎が進行すると、栄養素の消化・吸収が正常に行われなくなってしまうため、栄養状態の悪化が見られることがあります。

慢性膵炎の原因

もっとも多いのが大量飲酒です。そのほか胆石やストレス、遺伝性の要因や原因不明などさまざまなケースがみられます。

慢性膵炎の治療

基本的には急性膵炎と同様の治療を行います。慢性膵炎でも、激しい痛みのある急性期では絶飲食となります。

 

慢性膵炎の食事療法

膵臓は脂肪を分解するリパーゼを分泌する臓器であるため、脂質制限が重要となります。膵液の分泌を極力抑えることが、膵臓に負担をかけない食事のポイントです。

ここでは、慢性膵炎の食事療法について詳しく解説していきます。膵臓に負担をかけない食事の目安となるので、健康な人もぜひ参考にしてみてください。

脂質の多い食べ物を制限する

脂質の多い食べ物はリパーゼが多く必要になるため、 膵臓に負担がかかります。また、脂質は消化に時間がかかるので、膵臓を長時間刺激してしまう可能性も考えられるでしょう。

  • 脂身の多い肉類(豚バラ肉、鶏肉の皮など)
  • 脂肪の多い魚(さばなど)
  • 揚げ物
  • 洋菓子
  • 中華料理
  • 肉類の加工食品

上記は避けたい食べ物の一例ですが、代わりとして脂身の少ない鶏ささみ肉や白身魚、豆腐などの活用がおすすめです。

消化のよい食べ物を選ぶ

食物繊維を多く含む食べ物や消化しにくい食べ物は、胃などの消化管に長く留まるため消化液の影響を受けやすくなります。以下は繊維の多い食べ物や消化しにくい食べ物の一例です。

  • ごぼう、れんこん、たけのこ、さつまいも、こんにゃくなど
  • きのこ類、海藻類、豆類など
  • パイナップル、柑橘類、梨、キウイフルーツなど
  • いか、たこ、貝類など

消化のよい食べ物を選ぶことで、消化液を分泌する膵臓の負担を軽減できると考えられます。

刺激の強い食べ物を控える

刺激の強い香辛料などは消化液の分泌を促進します。痛みの原因になる可能性もあるため、控えるようにしましょう。

  • 唐辛子、辛子、わさび、カレー粉など
  • 味の濃すぎるもの
  • 冷たいものや熱すぎるもの
  • 炭酸飲料やコーヒーなど

脂溶性ビタミンを含む食べ物を意識して摂取する

慢性膵炎の食事療法の基本は脂質制限です。しかし、脂溶性ビタミンが不足してしまう可能性があるため、意識して摂取する必要があります。

脂溶性ビタミンとは

水に溶けず油に溶けやすい性質を持つビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKの総称です。脂溶性ビタミンは油と一緒に摂取することで、体内への吸収率がアップします。

脂溶性ビタミンを含む食べ物にはほうれんそうやにんじん、かぼちゃなどの緑黄色野菜、しらす干し、卵などがあります。

アルコールを制限する(禁酒)

慢性膵炎をはじめとした膵臓の病気には、アルコールの飲み過ぎが深く関わっているといわれています。アルコールそのものが膵臓を刺激することなどもあり、慢性膵炎では禁酒が必要となります。

膵臓に負担をかけないために改善したい生活習慣

膵炎の食事療法は脂質制限や消化のよい食事、禁酒が基本ですが、日頃から膵臓を守るために注意すべきことがあります。ここでは、膵臓に負担をかけないために改善したい生活習慣について解説します。

暴飲暴食

度を越した飲食は膵臓に負担をかけてしまうため、注意が必要です。

アルコールの過剰摂取

膵炎を発症してしまった場合、禁酒が原則ですが、膵臓に負担をかけないためには「節度ある適切な飲酒」を心掛けることが大切です。

厚生労働省では「1日平均純アルコールで20g程度の飲酒」を指標としており、ビールでは中瓶1本(500ml)、日本酒では1合(180ml)が目安となります。ただし、一般的には男性より女性の方がアルコールの分解速度が遅く、臓器に障害を来しやすいため男性の1/2~2/3程度の飲酒量が適当であるとしています。

お酒の種類別純アルコール量20gの目安
お酒の種類 目安量
ビール 500ml(中瓶1本)
日本酒 180ml(1合)
ウイスキー・ブランデー 60ml(ダブル)
焼酎(35度) 180ml(1合)
ワイン 120ml(1杯)

出典:厚生労働省「健康日本21(アルコール)」

食べ過ぎ

食べ過ぎると膵液が多く必要になるので、膵臓に負担がかかります。脂質の多い食べ物を多く食べる習慣がある場合、胆石のリスクが高まります。胆石が膵炎の原因となることもあるため、注意が必要です。

刺激物の過剰摂取

唐辛子など刺激のある香辛料の大量摂取も、膵臓にダメージを与えます。度を越した辛さの食べ物は食道や胃、腸など、膵臓以外の臓器を痛める原因にもなるため、好物だからといって大量に食べ続けるのは控えた方がよいでしょう。

また、カフェインを含む飲み物の摂り過ぎは、膵臓のほか胃にも負担をかけます。コーヒーなども飲み過ぎないように意識することが大切です。

睡眠不足

膵臓に負担をかけないためには、規則正しい生活を送ることが大切です。規則正しい生活により人体に備わった「体内時計」が整い、快適な睡眠につながります。

体内時計は、睡眠のタイミングを決めたりホルモン分泌や生理的活動を調節し睡眠に備えたりしているのです。自分の意志でコントロールはできませんが、規則正しい生活を送ることで体内時計を整えられるといわれています。仕事などで十分な睡眠を取ることが難しい場合もあるかもしれませんが、できる範囲で心掛けてみましょう。

出典:厚生労働省 e-ヘルスネット「快眠と生活習慣」

出典:厚生労働省 e-ヘルスネット「体内時計」

ストレス

ストレスによって暴飲暴食をしたり睡眠不足になったりと、膵臓に負担をかける生活習慣が生じてしまうこともあるでしょう。日頃からストレスと上手に付き合い、適切に対処していくことが大切です。

リラックスできる時間を作ったり、好きな音楽や映画を鑑賞したりすることもおすすめです。

出典:厚生労働省 知ることからはじめよう みんなのメンタルヘルス 総合サイト「ストレスをためない暮らし」

喫煙

喫煙と膵臓の病気には密接な関係があります。喫煙することで膵がんのリスクが高まることなども報告されていることから、膵臓への負担を減らすためには禁煙することが望ましいと考えられます。

食事の仕方に注意して膵臓の負担を減らそう

食べ物の消化・吸収や、血糖値の調整に重要な役割を担っている臓器が膵臓です。膵臓は食生活と深い関わりを持つ臓器であるため、暴飲暴食などで膵炎のリスクが高まります。膵臓の病気を発症させないためには、膵臓に負担をかけない食生活が重要です。この記事を参考に、生活習慣を改善して膵臓を労わりましょう。

また、ジョイントでは、管理栄養士が在籍しております。栄養相談も承っておりますので、お気軽にご相談下さい。

馬塲 耕造
監修株式会社ジョイント
監修馬塲 耕造

管理栄養士馬塲 耕造

1950年生まれ。国立循環器病研究センター 栄養管理室長、大阪刀根山医療センター 栄養管理室長、関西福祉科学大学 福祉栄養学科 客員教授。現在、優れた知見をもとに当社商品の監修と管理栄養士の指導を行い、お客様の栄養相談も行っている。