代謝水・発汗の基本を知ろう!1日に必要な水分量と計算方法について - 健康管理食ジョイント

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2022.06.22

代謝水・発汗の基本を知ろう!1日に必要な水分量と計算方法について

代謝水・発汗の基本を知ろう!1日に必要な水分量と計算方法について
馬塲 耕造
監修

馬塲 耕造

1日に必要な水分量は、人それぞれです。実は食べ物を消化する際にも、身体の中では代謝水と呼ばれる水分が生成されます。今回は身体に入ってくる水分と出ていく水分の基本を解説するとともに、1日の必要水分量の計算方法について紹介します。
もくじ

体内での水の役割

私たちの身体は、約60%の「体液」と呼ばれる水分で構成されています。その割合は筋肉の約80%、皮膚の約70%、骨の約30%が水分でできているのです。つまり、水分は私たちの生命を維持するだけでなく、健康的な生活を送るうえでも必要不可欠な存在です。ここでは、体内での水「体液」の役割について解説します。

体内の水分の割合
新生児 75%
子ども 70%
成人 60~65%
高齢者 50~55%

出典:味の素株式会社「高齢者の水分管理について

血液を循環させる

血液は、45%の血液成分と55%の血漿(けっしょう)成分でできています。さらに血液成分は99%の赤血球と1%の白血球と血小板、血漿成分は約90%が水分で構成されています。つまり、血液の半分以上は水分なのです。血液は身体中に張り巡らされた血管を絶えず循環し、酸素や栄養素を細胞へ運ぶ働きがあります。

老廃物を体外へ排泄する

体液には、体内を循環して不要な老廃物を腎臓でろ過して体外へ排出する働きがあります。水分が不足すると老廃物が排出されず、「ドロドロ血液」となって血液が詰まりやすくなります。その結果、心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高まってしまうのです。

体温を調節する

人は寒冷や酷暑の環境下で、体温の上がりすぎや下がりすぎを防ぐための体温調節機能が備わっています。外気が体温よりも冷えると、血管を収縮させて熱を逃がさないように働きます。また、筋肉の震えにより、体内で熱を作り出そうと働くのです。逆に外気が体温よりも熱くなると、血管を拡張させて熱が放出されます。さらに、汗をかくことで皮膚の表面で水分が気化して水蒸気となり、皮膚表面の温度を低下させます。

1日に必要な水分量と計算方法

1日の必要水分量は、以下の計算式で算出できます。

  • 1日の必要水分量(ml)=尿量(ml)+便(ml)+不感蒸泄(ml)-代謝水(ml)

出典:ニュートリー株式会社「キーワードでわかる臨床栄養

1日の平均排泄量は、尿量が1500ml、糞便が200ml、不感蒸泄が900mlです。代謝水は1kgあたり5mlなので、体重60kgの場合は300mlとなります。これを上記の計算式に当てはめると、体重60kgの人は1日あたりの必要水分量が2100mlだと分かります。

効率的に水分を摂取する方法

効率よく水分を摂取する方法は、以下のとおりです。

1日の必要量を7〜8回に分けて摂取する

体内で1回に吸収される水分量は150~200ml程度なので、一度に多くの水を摂取しても意味がありません。それどころか、一度に大量に摂取すると体内のミネラルバランスが崩れてしまう可能性もあります。効率よく摂取するには、1回あたりコップ1杯程度(約200ml)を1日7~8回摂取するとよいでしょう。

基本的には水かお茶を摂取する

日常的に水分補給として摂取するのは、水かお茶で十分です。ただし、猛暑日や運動をして大量に汗をかいた際には、汗と一緒にミネラルも体外へ出てしまいます。そのため、水分と一緒に塩分やミネラルを補給しましょう。

起床後すぐと、就寝前にコップ1杯ずつ摂取する

起床後すぐに水分を摂取することは、就寝中に不足していた分を補うだけではありません。胃腸が刺激され、腸の蠕動(ぜんどう)運動が活発になります。また、就寝前にコップ1杯の水を摂取することで、就寝中の水分不足が軽減するのです。さらに血流がよくなるため、脳梗塞や心筋梗塞のリスクが低減します。

高齢者は水分不足に注意

高齢者は喉の渇きを感じにくいため、無意識のうちに水分不足となっている場合があります。さらに、トイレに行く回数を減らしたいために自ら水分を減らしていることもあります。高齢者の水分不足は命の危険もあり、大変危険です。30分から1時間に1回は水分を摂取するなど、意識的にこまめな水分補給をしてください。また、高齢者の場合は下痢や嘔吐だけでも脱水となってしまうため、注意しましょう。

代謝水とは?

細胞が栄養素からエネルギー代謝を行う際にできる水のことを、代謝水と呼びます。

体内でエネルギーを作るときにできる水

食事から摂取された食品は消化され、それぞれアミノ酸、脂肪酸、グルコース(ぶどう糖)脂質、糖質として小腸で吸収されます。これらの物質は、細胞でビタミンなどの補酵素の協力を得てエネルギーに変換されます。これをエネルギー代謝と呼び、このときに生成されるのが代謝水です。

1日の水分出納(IN/OUTバランス)

私たちの体内の水分量は、摂取量(IN)と排泄量(OUT)の量が同じであることでバランス(水分出納)を正常に保っています。つまり、1日の水分摂取量がその日の排泄量を下回ることなく摂取する必要があるのです。

体内から出ていく水分

体内から出ていく水分は、以下のとおりです。

尿

尿は腎臓で生成されるものです。血液は酸素や栄養素を各細胞へ運ぶと同時に、各細胞から出た老廃物や毒素を腎臓へ運びます。これらを腎臓でろ過し、老廃物と一緒に余分な水分を体外へ尿として排出します。成人の平均尿量は、1日あたり約1500mlです。

便

食べ物は消化酵素によって胃で分解され、小腸で吸収されます。しかし、食物繊維などの難消化性の物質は、消化液に残されたまま大腸へと進むのです。大腸では水分が吸収され、吸収されなかったカス(食物残渣)が残ります。この食物残渣の固まりなどが、便となって体外へ排出されるのです。便には平均約200mlの水分が含まれています。

不感蒸泄

発汗以外で皮膚粘膜から自然に蒸発する水分や、呼吸によって呼気から出る水分のことを不感蒸泄と呼びます。この不感蒸泄の量は、健常人の安静時で1日あたり約900ml(皮膚から約600ml、呼気から300ml)です。また、発熱した際は1℃体温が上昇するごとに不感蒸泄の量は、約15%増加します。

出典:日本救急医学会

発汗には3種類あり、汗をかく部分が異なります。気温が高い環境下や激しい運動によって起こる発汗は「温熱性発汗」と呼ばれています。不安や緊張など、精神的な要因によって起こる発汗が「精神性発汗」です。また、唐辛子のような刺激物を食べることで起きる発汗を「未覚性発汗」と呼びます。

出典:花王株式会社「汗の基礎知識

体内へ入る水分

体内へ入る水分は、以下のとおりです。

食事から摂る水分

人は、食事から1日平均約800~1200mlの水分を摂取しています。食べ物によって異なりますが、1食あたり約400ml前後の水分を食事から摂取していることになります。

出典:厚生労働省

代謝水による水分

体内で生成される代謝水の量は、以下のとおりです。

栄養素(1g) 代謝水
糖質 0.56ml
タンパク質 0.41ml
脂質 1.07ml

出典:日本全国保険健康協会「体の水の働き

これは、簡易式でも求められます。体重1kgあたり平均5ml生成されることから、体重(kg)×5mlで計算できます。体重50kgの人であれば、エネルギー生産を行う際に代謝水が250ml生成されることになるのです。

必要な水分を接種しながら、栄養バランスも整えよう!

水分補給が大切なことに加え、栄養補給もとても大切です。株式会社ジョイントの健康管理食は栄養バランスの整ったお弁当で、カロリーも300前後で控えめなためダイエットにもおすすめです!

水分補給の際は代謝水にも考慮しながら、必要量を摂取しよう!

水は私たちの生命を維持し、生活の質を向上させるためにも欠かせない物質です。体内の水分バランスや代謝水の量も考慮しながら、こまめに水やお茶を飲むようにしましょう。今回紹介した水分を摂取する方法も、ぜひ試してみてください。


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馬塲 耕造
監修株式会社ジョイント
監修馬塲 耕造

管理栄養士馬塲 耕造

1950年生まれ。国立循環器病研究センター 栄養管理室長、大阪刀根山医療センター 栄養管理室長、関西福祉科学大学 福祉栄養学科 客員教授。現在、優れた知見をもとに当社商品の監修と管理栄養士の指導を行い、お客様の栄養相談も行っている。