食事制限で胃が小さくなるのは本当?意外と知らない胃腸と脳の関係とは - 健康管理食ジョイント

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2022.03.09

食事制限で胃が小さくなるのは本当?意外と知らない胃腸と脳の関係とは

食事制限で胃が小さくなるのは本当?意外と知らない胃腸と脳の関係とは
馬塲 耕造
監修

馬塲 耕造

食事制限を続ければ胃が小さくなると誰もが思っていますが、胃の大きさは変わらないという事実をご存知でしょうか。実は、食べる量は脳が関係しています。今回は、食べる量と胃と脳の関係性について紹介します。
もくじ

「胃が小さくなる」は本当?

基本的に、人間の胃の大きさはほとんど個人差がないといわれています。

しかしそうなると、なぜ食べる量が人によって違うのかという疑問が残ります。実は、人間が感じる満腹感や空腹感の正体は、脳の満腹中枢によるものです。

胃は伸縮を繰り返す臓器

胃が小さくなることはありません。食べ物が胃の中に入ると、それに合わせて胃は伸縮運動をします。たくさん食べた分胃は大きく伸び、消化すればしぼみます。いっぱい食べるとお腹がぽっこり膨れてくるのは、そのせいです。

また、胃という臓器は伸縮の繰り返しによって食べ物を砕き、消化しやすい形にして十二指腸に送っています。胃の伸縮具合は食べた物の量によって変わるものなので、もともとの胃の大きさに違いはありません。

食べられる量は毎日の食生活が関わっている

食べられる量は、その人の健康状態や毎日どれくらい食べているのかによって変わります。ただ、毎日お腹いっぱいまで食べたからといって、胃が拡張されることはありません。食べられる量が多い人は、脳が満腹だと感じるまでの水準が高いだけです。

脳は、その人の食生活の情報を少しずつインプットします。毎日お腹いっぱい食べれば満腹だと感じるラインが徐々に増え、少食ならそのラインが下がっていきます。人が食べられる量は、食生活に依存するものです。

そもそも胃のサイズって変わるものなの?

胃という臓器は食事中に伸縮しますが、元々の大きさは変わりません。また、胃の大きさの個人差も、ほとんどありません。性別や年齢、生活習慣や体質による差は多少存在しますが、胃の基本サイズは同じものだと覚えておきましょう。

変わるのは胃の大きさではなく、脳の満腹中枢

食事中の満腹感は胃からくるものだと思われていますが、その正体は脳からの電気信号です。脳の満腹中枢は、胃の伸縮具合などのさまざまな身体的情報から食欲をコントロールする信号を発しています。

食べ過ぎが続いたお腹の中で起こること

胃は伸縮する臓器ですが食べすぎると伸びてしまい、胃の周りの筋肉や胃中の粘膜、ほかの臓器に悪影響を与えてしまいます。満腹中枢による満腹感は、「これ以上食べてはいけない」という体の警告です。無視して限界まで食べ物を詰め込まないようにしましょう。

胃の筋力が弱まる

食べ過ぎが習慣化すると、伸びた胃の縮む力が弱くなってしまいます。通常食べ物の入った胃は、消化が終わると元の大きさまで縮みます。しかし、食べ過ぎで限界まで伸びきった胃だと、なかなかそうもいきません。伸縮運動に使う筋肉に余計な負担がかかり、元に戻す力がどんどん弱くなります。食べ過ぎ状態の胃は、使い過ぎて伸び切ったゴムと同じです。

胃下垂や胃拡張はあまりよいものではない

胃拡張や胃下垂という言葉は、よりたくさん食べるためのトレーニングや大食らいでも太らない体質の人に使われますが、間違いです。これらは、どちらも病気の名前です。

胃拡張とは

胃に運ばれた食べ物が最後まで消化しきれず残り続けて、胃が異常に大きくなる現象を指す病気です。通常胃で消化された食べ物は、そのまま十二指腸へと運ばれます。しかし胃拡張では、なんらかの原因によってその運搬が上手く機能しなくなります。原因はさまざまですが、食べ過ぎではなく感染症や胃潰瘍など、胃の働きの低下で発生することが多いです。

胃下垂とは

胃が正常な位置よりも下にある状態です。内臓脂肪が極端に少なかったり胃を支える筋肉が弱かったりすることで、胃が下に垂れるような形になります。ストレスや食べ過ぎ、過労などの心身の疲れ、姿勢が悪いなどによって胃の働きが弱くなり、起こります。胃下垂の特徴は、以下の点が挙げられます。

  • 胃の働きが弱くなり、栄養が上手く吸収できない
  • 胃炎や胃潰瘍になりやすい

胃下垂は栄養があまり吸収できないので結果として太りにくいですが、そもそも太っていない痩せ型の人に起こります。

どうすれば小食になれる?

胃が小さくなることはありませんが、脳の満腹中枢を刺激することで小食になれます。満腹中枢を刺激する方法は胃の伸縮以外にもいくつかあるので、それらを利用して少量で満足感のある食事をとりましょう。

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満腹感を得やすい食べ物を選ぼう

腹持ちがよい食品は、満腹中枢を刺激するのにおすすめです。腹持ちがよい食べ物を食事の早い段階で摂取することで、後半の食べ過ぎを防げます。食事制限をするなら、そばなどの消化に時間がかかるもの、糖質を気にするならゆで卵や豆乳、鶏むね肉を積極的に摂取しましょう。満腹感の割に食事量を少なくできるので、物足りなさが解消されます。

おすすめは、糖質制限食

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時間をかけて食事をしよう

食べ物をよく噛んで時間をかけて食事をすると、満腹中枢がよく刺激されます。満腹中枢の発する信号は突然やってくるものではなく、時間をかけて発信されます。コース形式の料理がお腹いっぱいになるのは、この理由です。食事量を減らしたいときは、しっかりと時間をかけて食べましょう。また、ゆっくりと胃に食べ物が運ばれることで、胃への負担も軽減されます。

また、食べ物をよく噛む行為も満腹中枢を刺激します。最低でも30回は噛んでから、飲み込むようにしましょう。

満腹中枢を上手くコントロールしよう

食事量を減らすときに意識するのは、胃ではなく脳の満腹中枢です。小食になりたいからといって、用意する食事量や食事回数を無理に減らしても長続きしません。小食になりたいなら、満腹中枢を刺激する食事方法を心がけましょう。

満腹感や空腹感は、逆らうものではなく上手く騙すものです。コントロールして、快適に食事量を減らしましょう。

食事制限ダイエットは「無理なくコツコツ」が一番!

ダイエットの種類はたくさんありますが、どんな方法であっても食事量が多ければ当然太ります。しかし、食事量を突然減らしたり食事の内容をガラッと変えたりしても、体がそれに対応できずに挫折してしまうでしょう。

食事制限をするときに覚えておくのは、「胃の大きさはみんな一緒」だということです。胃の大きさは気にせず、食習慣や食事の取り方を重視してみてください。

馬塲 耕造
監修株式会社ジョイント
監修馬塲 耕造

管理栄養士馬塲 耕造

1950年生まれ。国立循環器病研究センター 栄養管理室長、大阪刀根山医療センター 栄養管理室長、関西福祉科学大学 福祉栄養学科 客員教授。現在、優れた知見をもとに当社商品の監修と管理栄養士の指導を行い、お客様の栄養相談も行っている。