朝の血圧が高い人は注意が必要!上がる原因を解明して予防や対策をしよう - 健康管理食ジョイント

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2022.03.02

朝の血圧が高い人は注意が必要!上がる原因を解明して予防や対策をしよう

朝の血圧が高い人は注意が必要!上がる原因を解明して予防や対策をしよう
馬塲 耕造
監修

馬塲 耕造

早朝は、血圧が上がりやすくなる要素が多い時間帯です。血圧が高いと、さまざまな病気や症状を引き起こす原因になりかねません。そこで今回は、なぜ血圧が上がるのか、その原因や予防対策などを紹介します。
もくじ

血圧が高いといわれる基準は?

高血圧の診断基準をご存知でしょうか?血圧の測定方法や血圧が高いとされる数値をおさらいしましょう。

血圧の測定方法

測定は、基本的に肩から肘までの上腕部で行います。左右どちらでもよいとされていますが、左腕の方が心臓に近く数値のブレが少ないため、最も安定して測れるので左腕での測定がおすすめです。

朝に測定する場合は、以下の手順で行いましょう。

  1. 起床後、トイレで排尿を済ませる
  2. 起床1時間以内に血圧計の前に座り、1~2分間深呼吸をする
  3. 左上腕部に血圧計を装着し心臓の高さに合わせる
  4. 測定を行う

正常血圧とは?

正常血圧は病院の診察室で測定する場合、収縮期血圧120mmHg未満かつ拡張期血圧80mmHg未満、家庭で測定する場合、収縮期血圧115mmHg未満かつ拡張期血圧75mmHg未満とされています。

病院の診察室では緊張して血圧が高いことが多いため、リラックスしている家庭とは基準が異なるのです。また、昼間は正常値なのに早朝のみ血圧が高いという人も中にはいるので、正常だからと安心せず、いろいろな時間帯に測定することをおすすめします。

高血圧と診断される数値とは?

以下表の数値を超えた場合、高血圧と診断されます。

診察室測定での高血圧診断基準

収縮期血圧 140mmHg以上
拡張期血圧 90mmHg以上

家庭測定での高血圧診断基準

収縮期血圧 135mmHg以上
拡張期血圧 85mmHg以上

出典:特定非営利活動法人日本高血圧協会高血圧治療ガイドライン2019」 

診察室測定は1日だけではなく別日に数回測定を行った際、収縮期血圧と拡張期血圧のどちらかが上記数値を超えた場合、高血圧と診断されます。

家庭測定の場合は、5~7日測定を行い平均値を確認してください。収縮期血圧と拡張期血圧のどちらかの平均値が上記数値を超えた場合、高血圧と診断されます。

正常血圧ではないけれど、高血圧ではないから安心というわけではありません。診察室血圧130/80mmHg以上、家庭血圧125/75mmHg以上の場合、高値血圧となります。高値血圧とは高血圧の一歩手前の段階となるので注意しましょう。

早朝に血圧が高い2つのタイプ

モーニングサージ

モーニングサージは早朝に急激に血圧が高い状態になるタイプを指します。睡眠中の深夜には血圧は下がっているのが特徴です。高齢者や糖尿病、高コレステロール血症などの持病がある人に多く、軽度の脳梗塞を起こしている場合は、脳出血やくも膜下出血につながる危険性があります。

持続性高血圧

深夜の就寝中にも血圧が下がらず、早朝に血圧が高い状態になるタイプを持続性高血圧といいます。

通常、深夜の睡眠中に血圧は下がりますが、持続性高血圧の人は持病などの要因により、血圧が高い状態を維持してしまうのです。そのため心臓や血管に負荷がかかり、心疾患のリスクが高い状態となってしまいます。血糖値が高い人や腎臓に障害がある人、睡眠時無呼吸症候群がある人は特に注意してください。

朝に血圧が高いのはなぜ?

朝に血圧が高い原因

起床による交感神経の働き

朝に起床し日光を浴びることで交感神経が刺激されます。交感神経は身体活動を活発にする方向に身体を変化させる働きがあるのです。身体を活動させるのに隅々まで血液を行き渡らせる必要があるため、心拍数が増えたり、血管が収縮したりと血圧を上げる方に作用します。交感神経の主な働きは以下です。

  • 心拍数の増加
  • 血管の収縮
  • 瞳孔が開く
  • 汗の分泌

気温の低下

気温は、血圧に大きく影響を及ぼす原因となります。早朝は1日の中でも気温が低い時間帯です。特に冬の寒い時期は体温が下がらないように毛細血管が収縮しているので、血圧は高くなってしまいます。

朝に高血圧となるリスクが高い人

糖尿病や腎臓病などの血管系の持病がある人

糖尿病や腎臓病を持っている人は自律神経系が乱れてしまいます。そのため、血圧が夜間に下がることがなく、朝に高血圧となってしまうのです。

睡眠時無呼吸症候群がある人

睡眠時無呼吸症候群は高血圧のリスクが高い要因となります。睡眠中に無呼吸となり呼吸が再開する際には、身体は寝ているが脳は起床するという状態になるのです。それにより睡眠状態が中断し、交感神経が優位に働いて血圧の上昇が起きます。

高血圧で通院している人

すでに高血圧の診断を受けて通院している人も、早朝の血圧が高い可能性があります。処方された降圧薬を服用してから起床までの時間が長い場合、早朝には薬の効果が切れていることがあるのです。通院しているからと安心せず、毎朝血圧を測ることをおすすめします。

動脈硬化が進行している人

加齢や持病により動脈硬化が進行している人は高血圧のリスクが高くなります。血管が硬くなっていたり、細くなっている人は血液の流れる量によって血管を伸縮させることが難しくなるのです。そのため、血管にかかる負荷が大きくなり血圧が高い状態となってしまいます。

飲酒・喫煙の習慣がある人

過度の飲酒は睡眠の質の低下や脱水症状を起こすことで、血圧が高い状態になるリスクがあります。また、煙草に含まれるニコチンは交感神経を刺激するため、血圧を上げてしまうのです。

朝に血圧が高いときの対策

朝に血圧を上げないための予防法

起床時の行動

朝は血圧が上昇する要素の多い時間帯なため、血圧が普段から高い人は注意が必要です。急な血圧上昇は心筋梗塞などの原因となるため、血圧の高い人が注意すべき朝の過ごし方をまとめました。

  • 急に立ち上がらないようにする
  • 朝風呂をしない
  • 冷たい水で顔を洗わない
  • トイレでいきまない

温度管理

冬場の朝など、寒さは血圧を急激に上昇させる要因になります。気温変化がないように温度管理をして、血圧が上がらないように予防しましょう。

冬の温度管理ポイント

  • 靴下をはく
  • 空調は室温20℃程度で調節する
  • トイレ・脱衣所・浴室内などを温めておく

朝の血圧が高い人の改善法

適度な運動を行う

適度な運動習慣は血圧を下げる効果が期待できます。血圧低下作用のあるタウリン、プロスタグランディンなどの体内産生が亢進し、血圧上昇作用のあるカテコールアミンなどの産生が低下するためです。また、適度な運動はストレスや肥満の改善にも効果的です。

朝の血圧が高い人は、ウォーキングや、サイクリング、スイミングなどの有酸素運動を一定の時間、定期的に行うとよいでしょう。理想的な運動習慣は週に3回以上、30分以上の有酸素運動を行うことです。

しかし、重症高血圧症の人は医師への相談が必要です。180mmHg/100mmHg以上と血圧が高い人は運動により、くも膜下出血や心筋梗塞などを起こす危険があります。不整脈や大動脈瘤などを持っている人は、必ず主治医に確認してから行ってください。

塩分を控えた食事を心がける

朝の血圧が高い人は、塩分を制限しましょう。人の身体は水分と塩分のバランスを常に調節しています。塩分の多い食事をしていると、血液中の塩分濃度が高くなり、それを下げるために水分を体内にため込みます。したがって心臓に送り込まれる血液量が増え、血圧が高い状態になるのです。下記の塩分を控えるポイントを参考にしてみてください。

  • 麺のスープは飲まない、または残す
  • 練り製品、漬物、佃煮を控える
  • 調味料は「かける」より「つける」
  • テーブルに調味料を置かない
  • お酢や香辛料をつかって塩味を控える

野菜、果物、乳製品を摂取する

野菜や果物に含まれるカリウムは塩分を体外へ排出する働きがあり、また乳製品に多く含まれるカルシウムやマグネシウムには間接的に血圧を下げる働きがあります。塩分を体外へ排出する働きがあります。野菜に多く含まれる食物繊維は、塩分を吸収しにくくする作用があるため、特におすすめです。

ストレスを溜めない

ストレスは交感神経を優位にし、血管の収縮や心拍数を増やし血圧を上げてしまいます。これは特に心理的ストレスで見られやすいです。しかし、心理的ストレスは肉体的ストレスに比べ、自覚しにくく解消するのが難しいこともあります。心理的ストレスがかかっている特徴と解消法を以下にまとめました。

ストレスが溜まっているときの特徴を4つ挙げています。

  • 寝つきが悪く、夜中に何度も目が覚める
  • 風邪をひきやすくなった
  • 胃痛や腹痛を起こしやすくなった
  • 頭痛や肩こりがある

ストレス予防や解消法を5つ挙げています。

  • 睡眠1~2時間前に40℃程度で入浴する
  • 睡眠前に読書や音楽を聴く
  • 食後1時間くらいに適度な運動をする
  • 良質なたんぱく質を摂取する(肉・魚・卵など)
  • ビタミンの摂取を心がける(野菜や果物)

服薬管理

すでに通院で服薬しているのに、朝の血圧が高いときは服薬を見直す必要があります。まず、かかりつけ医に相談をすることが大切です。状況に応じて、長時間効果がある薬へ変更したり、寝る直前に服薬するようにしたり、朝夕の1日2回の服用にしたりできます。医師の指導のもと、朝の血圧を下げるように注意してください。

朝に血圧が高い人は要注意!

日本人で高血圧の患者は約4300万人いると予想されており、3人に1人が高血圧といわれています。血圧が高い人にとって、朝は特に注意が必要な時間帯です。毎朝血圧を測定し、コントロールできているか確認することが重要になります。高い状態が続くときは原因を探し、対策することで健康な日々を送れるよう心がけましょう。

血圧をコントロールするには食事管理を継続することが重要!

高血圧にならないために生活習慣に気を付けるのはもちろんのこと、食生活も重要になります。当社の多幸源シリーズは食事管理のお手伝いできるよう50メニューご用意しております。是非お得な定期コースで改善していきましょう。

馬塲 耕造
監修株式会社ジョイント
監修馬塲 耕造

管理栄養士馬塲 耕造

1950年生まれ。国立循環器病研究センター 栄養管理室長、大阪刀根山医療センター 栄養管理室長、関西福祉科学大学 福祉栄養学科 客員教授。現在、優れた知見をもとに当社商品の監修と管理栄養士の指導を行い、お客様の栄養相談も行っている。