「豆乳」は高血圧予防に最適!栄養成分の働きや1日の摂取量を詳しく解説 - 健康管理食ジョイント

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2022.03.23

「豆乳」は高血圧予防に最適!栄養成分の働きや1日の摂取量を詳しく解説

「豆乳」は高血圧予防に最適!栄養成分の働きや1日の摂取量を詳しく解説
馬塲 耕造
監修

馬塲 耕造

豆乳には、高血圧の予防に有効な栄養素が豊富に含まれています。今回は血圧を下げる作用に着目して、豆乳の魅力に迫ります。豆乳の種類別活用法や高血圧予防に取り入れたい食材の食べ合わせまで紹介するので、ぜひ参考にしてください。
もくじ

高血圧予防に取り入れたい豆乳の魅力

豆乳は、高血圧の予防が期待されています。ここでは、豆乳に含まれる栄養と素朴な疑問を解消します。

豆乳とはどんな食品?

豆腐に固める前の状態

水に浸した大豆をすりつぶして加熱し、ろ過して得られる乳白色の液体が豆乳です。豆腐はこの豆乳に、にがりなどの凝固剤を加えて固めます。

豆乳にはどんな栄養が含まれるの?

良質なたんぱく質

豆乳に含まれる植物性たんぱく質は体内への吸収速度がゆっくりなため、腹持ちがよいです。

また、体内で合成できない必須アミノ酸がバランスよく含まれ、生命活動に必要な栄養補給ができます。

豆乳に多く含まれるアミノ酸は表のとおりです。

アミノ酸 体内での働き
必須アミノ酸 ロイシン ・肝臓の働きを促進

・筋肉組織の主成分

リジン ・細胞の修復と成長を促進

・糖代謝の促進

・ホルモンや酵素を生成

フェニルアラニン ・神経伝達物質のベース

・脳機能・記憶力の向上

・気分の落ち込みを緩和

・鎮痛効果

非必須アミノ酸 アスパラギン酸 ・乳酸の分解促進、疲労回復

・脳の神経伝達物質

・アンモニア代謝の補助

グルタミン酸 ・体内のアミノ酸のベース

・GABAを生成

・アンモニア解毒作用

・脳機能活性化

・食品の旨み成分

アルギニン ・成長ホルモンの分泌促進

・血圧降下作用

・免疫力の向上

・疲労回復効果

出典:文部科学省「日本食品標準成分表:アミノ酸成分表:豆類

オリゴ糖が善玉菌を増やし腸内環境を整備する

原料である大豆には、ラフィノースやスタキオースというオリゴ糖が含まれます。このオリゴ糖は、善玉菌と呼ばれている腸内細菌が好む栄養分です。オリゴ糖を補給した善玉菌は元気に繁殖し、腸内環境が整備されて快便や免疫力の維持に役立ちます。

イソフラボンが女性ホルモンと似た働きをする

豆乳のイソフラボンが女性ホルモンのエストロゲンと似た化学構造をしていることから、同様な働きが期待されます。イソフラボンの構成成分は骨の形成やカルシウム吸収に作用するため、骨粗しょう症の予防や成長期の骨の強化に有効です。

不足しがちなミネラルやビタミンが豊富

豆乳には高血圧予防に有効なカリウムやマグネシウム、ビタミンB1とB2が含まれます。これらは体液のバランス調整や、栄養素が体内でスムーズに代謝できるようサポートしている大切な栄養素です。

栄養素 働き・特徴
ミネラル カリウム ・細胞内液に存在

・細胞の浸透圧を維持

・ナトリウム排出

・血圧の正常化

・腎臓の老廃物処理の補助

・筋肉収縮の補助

マグネシウム ・骨、筋肉、肝臓、血液中に存在

・筋肉細胞のカルシウム量を調節、筋収縮を促す

・ストレスにより消費量増加

・体内の酵素の働きを補助

ビタミン ビタミンB1 ・糖質分解時に必要

・乳酸の蓄積防止、疲労回復

・精神安定作用

ビタミンB2 ・乳製品、動物性食品に豊富

・脂質とたんぱく質の分解を補助

・細胞の再生を促進

・髪や肌の健康維持

・口や目の粘膜保護

豆乳は3つに分類される

無調整・調整・豆乳飲料に分類

含まれる大豆の固形成分の割合により無調整と調整、豆乳飲料の3種類に分類されます。

日本農林規格(JAS)における、分類の定義は表のとおりです。

種類 大豆固形成分 特徴
豆乳 8%以上 ・無調整豆乳とも呼ばれる
調整豆乳 6~8% ・豆乳原液に、植物性油脂や糖類、食塩などを加えたもの
豆乳飲料 4~6% ・果実や野菜の搾汁液、乳製品、コーヒーなどを加えたも

・搾汁液の割合が10%未満

出典:農林水産省「豆乳類の日本農林規格

 

豆乳が高血圧の予防に適する理由とは?

豆乳は、健康に役立つ成分を豊富に含んでいます。ここからは、高血圧予防に効果のある成分にクローズアップします。

血圧を下げる豆乳の栄養成分とその働き

大豆ペプチド

大豆のたんぱく質を加水分解すると、複数のアミノ酸からなる大豆ペプチドが得られます。大豆ペプチドが血圧上昇に関係するアンジオテンシンの働きを妨害することにより、血圧上昇を防ぐのです。

また、血中の中性脂肪やLDL(悪玉)コレステロールを下げる作用もみられます。

レシチン

大豆の脂質成分であり、乳化作用があります。血管内のコレステロールが留まらないよう、溶かして排出させるのです。乳化作用によって血液の流れがスムーズになり、高血圧や血栓、動脈硬化などの予防になるでしょう。

サポニン

大豆のえぐみの成分であり、ポリフェノールの一種です。

ポリフェノールには、抗酸化作用があります。脂質の酸化防止や、酸化した脂質の血管内への蓄積を防ぎます。血管抵抗を減らすことで、高血圧予防につながるのです。

さらにコレステロールや中性脂肪値、血糖値までも低下させる作用がみられます。

アルギニン

豆乳のたんぱく質を組成するアミノ酸です。アルギニンから生成される一酸化窒素は血管を拡げ、血液の流れをよくします。このスムーズな血流は、高血圧や動脈硬化の予防に重要です。

カリウム

細胞内液にはカリウム、外液にはナトリウムが存在し、それぞれがバランスを取り合い体液の浸透圧を維持します。体内に十分なカリウムがあると余分なナトリウムを排出し、体水分を調節して血圧を正常に保ちます。カリウム不足によるバランスの崩れは、高血圧やむくみの原因となるでしょう。

マグネシウム

血管の収縮を抑えて、血圧を下げる働きがあります。血液を固まりにくくして血栓を防ぐ働きもあるため、高血圧予防に役立つでしょう。

さらに、摂りすぎたカルシウムが血管壁に沈着することを防ぐ効果も得られるため、動脈硬化予防につながります。

ビタミンE

毛細血管を広げて、血行を促進します。抗酸化力が高いため、細胞膜の構成成分である不飽和脂肪酸の酸化を防ぐのです。血管の健康を守り、高血圧や動脈硬化の予防となるでしょう。

知っておきたい血圧の正常値

ここでは、正常値から高血圧にいたる測定値の基準を紹介します。目安となる値を知ることは、高血圧の予防に非常に重要です。

正常な値と気を付けたい高血圧

正常血圧は120/80mmHg

日本高血圧学会が示す、診察室で測る場合の血圧基準は以下の表のとおりです。正常とされる基準値は上が120mmHg、下が80mmHgです。診察室では、血圧が高めに出ることがあります。自宅で測定した場合は、表より5mmHg低い血圧を目安とします。

分類 収縮期血圧 拡張期血圧
正常 <120 かつ <80
正常高値血圧 120-129 かつ <80
高値血圧 130-139 かつ/または 80-89
Ⅰ度高血圧 140-159 かつ/または 90-99
Ⅱ度高血圧 160-179 かつ/または 100-109
Ⅲ度高血圧 ≧180 かつ/または ≧110

出典:厚生労働省「高血圧

高血圧予備軍は130-139/80-89mmHg

130-139/80-89mmHgの血圧値は「高値血圧」と呼ばれ、高血圧症の一歩手前です。この段階は高血圧予備軍のため、注意が必要になります。また、海外でも高血圧の基準は、140/90mmHgです。

血圧は1日の中で変動する

血圧は、1日の中で変動するものです。睡眠中は低く、起床するとともに上昇します。昼間の活動時間帯は高めで、夕方から夜にかけて活動が少なくなると下がります。

血圧の測定方法は、朝と夜の2回、同じ環境で同じ時間に測ることで状態の把握が可能です。

高血圧予防に効果的な豆乳の摂取方法とは?

豆乳の優れた栄養を適切に摂取するために、目安となる摂取量の把握は大切です。ここからは、1日の目安と高血圧予防に役立つ食材の食べ合わせ方、種類別の料理方法を紹介します。

1日の目安は200mlを1~3杯

豆乳の摂取量は、1日に200mlを1~3杯程度が目安です。豆腐やおからなどの大豆製品を食事に取り入れる場合は、豆乳を調節してバランスをとるとよいでしょう。

一度に飲み過ぎない

高血圧予防を意識して豆乳だけを一度にたくさん摂ることは、ほかの栄養素とのバランスに注意が必要です。大豆製品では摂取できない栄養や、ほかの栄養素がなければ効果を発揮できない成分もあります。目安を基準にして、毎日一定量を摂取しましょう。

調理におすすめの豆乳は?

おかずの料理には無調整豆乳

シチューやスープなどの料理に使う場合は、無調整の豆乳がおすすめです。食塩や糖類などが加えられていないので、好みの味付けができます。ただし塩分の入れすぎは高血圧の原因となるので、要注意です。

ドリンクやお菓子作りには調整豆乳

スムージーのようなドリンクやプリンなどのお菓子を作る場合には、調整豆乳がおすすめです。甘みやフレーバーが付いているため、作るものに合わせて活用できます。

豆乳の栄養を活かす高血圧予防の食べ合わせ方

塩分の排出に「カリウム×食物繊維」

カリウムと食物繊維は、どちらも余分な塩分を排出する作用があります。同時に摂取することで、高血圧の原因となる塩分の排出パワーを高めます。カリウムと食物繊維を多く含む食品は、以下のとおりです。

カリウム(野菜、果物、海藻、納豆、ドライフルーツに豊富) 食物繊維(穀類、芋類、緑黄色野菜、豆類に豊富)
・ほうれん草

・オクラ

・モロヘイヤ

・かぼちゃ

・大根

・きゅうり

・里芋

・アボカド

・バナナ

・納豆

・干しひじき

・昆布

・ライ麦パン

・玄米

・そば

・モロヘイヤ

・ごぼう

・ブロッコリー

・かぼちゃ

・大豆

・そら豆

・しいたけ

血圧を正常に保つ「マグネシウム×カルシウム」

マグネシウムとカルシウムは、両者のバランスを取り合いながら血圧の正常化に貢献しています。豆乳にはマグネシウムが豊富なので、カルシウムを多く含んだ食材との同時摂取は高血圧予防に効果的です。マグネシウムとカルシウムが豊富な食品は、以下のとおりです。

マグネシウム(魚、貝類、ナッツ、玄米、ドライフルーツに豊富) カルシウム(乳製品、魚介類、海藻に豊富)
・アサリ

・イワシ

・カキ

・ほうれん草

・枝豆

・プルーン

・バナナ

・玄米

・そば

・アーモンド

・油揚げ

・ヨーグルト

・牛乳

・プロセスチーズ

・干しエビ

・ワカサギ

・煮干し

・モロヘイヤ

・小松菜

・菜の花

・ごま

・干しひじき

・生わかめ

血管を丈夫にする「動物性たんぱく質×植物性たんぱく質」

高血圧予防には、丈夫な血管の維持も大切です。動物性たんぱく質を減らすと、血管壁が薄くなり、傷つきやすくなります。動物性と植物性をバランスよく摂取することで、血管を守りましょう。

動物性たんぱく質 植物性たんぱく質
・肉類

・卵

・魚介類

・乳製品

・大豆

・豆腐

・納豆

・油揚げ、厚揚げ

血流アップに「抗酸化ビタミン×ポリフェノール」

抗酸化作用が高いビタミンは、βカロテン(ビタミンA)やビタミンC、Eです。コレステロールの酸化や、酸化した脂質が血管に沈着するのを防ぎます。ポリフェノールには、血液成分や血管の健康を維持する作用を持つ種類もあります。抗酸化ビタミンを含む主な食品は、以下のとおりです。

βカロテン(緑黄色野菜に豊富) ビタミンC(緑黄色野菜や芋類、果物に豊富) ビタミンE(魚介類、緑黄色野菜、ナッツ類、植物油に豊富)
・モロヘイヤ

・人参

・明日葉

・ほうれん草

・大根の葉

・小松菜

・春菊

・赤ピーマン

・芽キャベツ

・ブロッコリー

・カリフラワー

・ゴーヤ

・じゃが芋

・ほうれん草

・さつま芋

・トマト

・レモン

・イチゴ

・キウイフルーツ

・アユ

・ウナギ

・ツナオイル漬け

・イカ

・モロヘイヤ

・かぼちゃ

・赤ピーマン

・ほうれん草

・ヒマワリ油

・アーモンド

・落花生

・オリーブ油

 

血液や血管に効果的な主なポリフェノールは、以下のとおりです。

食品 ポリフェノール 効果
チョコレート、ココア カカオポリフェノール 血管内炎症の軽減、血管拡張
りんごの皮 りんごポリフェノール 高血圧に関係する酵素の阻害

ドロドロ血液の予防

そば ルチン 血管の弾力性維持
玉ねぎの皮 ケルセチン 血流改善

コレステロール値の低下

しょうが ショウガオール 血行促進
緑茶 カテキン 気管内皮機能の改善

 

豆乳を食事に取り入れて高血圧を予防しよう

豆乳に含まれる成分は、高血圧の予防に有効です。ほかの食品と組み合わせる方法によっても、豆乳の成分を活かして高血圧を防ぐ有効手段となります。摂取量の目安や血圧の基準なども踏まえて、高血圧を予防しましょう。

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馬塲 耕造
監修株式会社ジョイント
監修馬塲 耕造

管理栄養士馬塲 耕造

1950年生まれ。国立循環器病研究センター 栄養管理室長、大阪刀根山医療センター 栄養管理室長、関西福祉科学大学 福祉栄養学科 客員教授。現在、優れた知見をもとに当社商品の監修と管理栄養士の指導を行い、お客様の栄養相談も行っている。